監督日記(2013年6月~12月)

 これを書いているのは、2013年12月30日。明日で2013年が終了。2月に日比谷でお披露目上映会をしてから、怒涛のごとく過ぎたこの年でした。予想をはるかに超える上映会を各地で開催していただきました。主催者の団体、個人のみなさまには、本当に心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 また、上映会に限らず、さまざまな形で映画や私を応援して下さったたくさんのみなさまにも、心から感謝を申し上げます。ここまでこられたのは、本当にたくさんの人たちの力の結集なのだと、しみじみと感じています。
 来年早々2月には、鹿児島と熊本で上映会があり、九州初上陸します。また、2月15日からは「オーディトリウム渋谷」で劇場上映があります。この映画をさらに広い層の方に見ていただける好機と思っています。とりわけ首都圏のみなさまには、ぜひ情報を広めていただけますようお願いいたします。また、映画館は映画を見る環境としては当然ながら抜群です。すでにご覧いただいた方々も、ぜひ再度映画館での迫力ある美しい映像で、より深い感動を味わっていただけましたら幸いです。
 サポーターの方々には、前売り料金よりさらにお得な割引制度もあります。イベント等もたくさん企画しておりますので、どうぞ会いにきてくださいね。お待ちしています!

                                                   島田 恵

6月6日~10日
 飛行機で稚内へ。ここを出発点に稚内、下川、旭川の道北3ヶ所での開催。下川町のTさんが各地をコーディネイトしてくれた。6月とはいえ、稚内は風が強く寒かった。北星学院大学の先生のご協力で、大学での上映。平日夜にもかかわらず、地元の方々がたくさん集まってくれた。以前写真展でもお世話になった稚内の方々と懐かしい再会となり、初日にもかかわらず深夜まで大いに盛り上がってしまい、翌日は深く「反省」の一日だった…。
 7日は、高レベル放射性廃棄物の地下処分研究施設がある幌延町を、地元の方に案内していただく。PR施設の前では、毎週金曜日の昼に抗議に来ているという酪農家の方に会う。じっとたたずむ沈黙の抗議には迫力がある。その後、豊富町で高レベル施設に反対している酪農家の方々と交流会。手造りジェラードがめっちゃおいしかった…。
 8日の下川町、9日の旭川市、ともに主催者は若い方々中心。これからの世代の人たちに是非見てもらいたいと思っているので、とても嬉しい。下川町では、地元名寄高校新聞部の生徒さんたちも来てくれて、率直で真剣な質問を投げかけてくれた。楽しかったなぁ~。旭川市では、歌あり、パフォーマンスあり、手作りショップありのイベントで、楽しみながら参加できるように工夫されていた。バンドの方が登紀子さんの挿入歌を歌ってくれて、しみじみ~感動しました。

9月8日
 私の地元東京都青梅市での上映会とトーク。青梅市で古くから活動されているグループが主催してくれた。母親、兄夫婦、親戚や高校の同級生たちがまとまって来てくれた。自分のマンションの掲示板にポスターが貼ってあったよ、と来てくれた同級生。母親が参加するサークルでも映画のチラシが配られたようで、知り合いも多数。身内を前にしてのトークは、照れくさいやらドキドキするやら…。「映画も話もよかったよ」と伯母ちゃんから褒め言葉をもらって、ちょっと肩の荷が下りた感じでした。

9月28日~29日
 28日は、岐阜県多治見市での上映会。岐阜県は東濃地域に核関連研究施設が点在し、瑞浪市には高レベル廃棄物の地下処分研究の超深地層研究所がある。岐阜県北部は福井の原発とも近い。岐阜県内では多くの地域で上映会を開いていただいている。上映会翌日は東濃地域を地元の方に案内していただく。研究施設とはいえ、実際に地下何百メートルも掘削するのだから、そのまま処分場になる懸念は捨てきれない。しかも、ここは地下水がどんどん湧き出てくるような地層なのだ。緊要課題である核のゴミ処分。幌延、下北、東濃、この先どう動いていくのだろうか。

11月9日~10日
 9日は、念願の地元六ヶ所村泊での上映会だった。古くから核燃反対運動をされてきた泊のTさん、三沢や八戸の方々が開催してくれた。地元からの参加者は40人ほどだったが、懐かしい顔ぶれのカッチャやトッチャたちが来てくれた。まるで昔のように話ができたのが嬉しかった。映画に登場する河原さんとお父さん、滝口さん夫妻や息子さんご夫婦も見に来てくれた。特に昔の反対運動のシーンには「涙が出るよ」と誰もが語っていた。翌日はかなりの雪となった。その雪景色を見ながら、またいつか再び映画を携えてここに帰ってこようと心に決め、東京へ向かった。

12月1日~2日
 横須賀での上映会。古くからの友人Kさんや横須賀で昔から活動をしているグループの人たちが主催してくれた。横須賀は米海軍や自衛隊の軍港があり、核燃料加工工場もある。福島第1原発の燃料もここで加工され運ばれていた。近年は原子力空母ジョージワシントンの母港として注目されている。上映会翌日は、横須賀平和船団の船で軍港を案内していただいた。ジョージワシントンは不在だったが、真近で見る巨大な軍艦や潜水艦には圧倒された。「横須賀にはきれいな海もあるのよ」と晴れた日には富士山も見えるという景勝地にも連れて行ってくれて、やっと心が和んだ。
 ところで横須賀は、最近核のゴミ問題を前面に訴え、脱原発発言で注目を浴びている小泉純一郎元首相の地元だ。私たちは丁寧な手紙を添えて、小泉さんに上映会のご招待券をお送りしていたのだが、残念ながら当日お姿はみえなかった…。是非来てほしかったなぁ~。政治的背景はいろいろあるんだろうけど、核のゴミと脱原発の正論は言い続けてほしいです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする