2013年5月25日、東京都日野市上映会でのアンケートからから一部を紹介します。
◎『祝の島』(はなぶさあや)監督を思い出させる力作でした。言葉以上に登場人物の眼力やちらっと通る猫、小型トラックの荷台の犬などが雄弁に島田恵さんの意図を語っている気がしました。映像も美しいです。テーマの曲(歌)もぴったりのものでした。NHKEテレで姜尚中の小説『心』を紹介した番組に生々しい福島原発の惨状が映っていて、それと重なるものがありました。原発の専門家としては小出裕章さんしか出ていませんでした。他の方は出る幕がなかったのでしょうね。
◎ 眼差しの想像力が自らの内なる欲望の前でとまどい、うろたえ、行く先を失う。3.11以降、足元もおぼつかないまま、どこへも踏み出せないでいる現在、この映画に関わったすべての人々の放つ眼差しの想像力と、私の内の何かがどこかでつながればと願っています。
◎ ふだんのニュースではあまり触れられない被災地の市民の声、表情がとりあげられており、たいへん勉強になった。国の原発行政にとりこまれていると考えていた東海村村長のコメントは非常に衝撃だった。六ヶ所村に12年も居を構えて撮り続けた原燃問題と反対住民の語り口(静かな中にも信念を感じさせた)も説得力があった。福島と六ヶ所と原発の関係がよくわかる。
◎ 六ヶ所村の地元においても核燃施設の受けとめ方が様々であることについて考えさせられた。フクシマ以上の危険がひそむ状況の中での生活であるでしょうが…。不安を避けるための生物の安全性バイアスというようなものが作動しているのでしょうか…。「原子力で立地しなければ」とおっしゃる方々とどうお話したらよいのか…。