twitterからのメッセージ ①

 映画「福島 六ヶ所 未来への伝言」日比谷図書文化館にて鑑賞。ドキュメンタリー映画だが、対象者に取材を受けている気負は殆ど無く、ありのままの温かい日常を描いている。撮影者(12年間、六ヶ所に在住した島田恵監督)が如何に地元の人々から信頼感・親近感を持たれているか伝わって来る。

 しかし、最後までスクリーンから緊張感が消える事は無かった。それは、原子力産業に肯定的な原発従事者や原子力産業に反対の漁業関係者や放射能汚染により出荷規制を強いられた農業家や放射能汚染による避難者家族達、等々の映像である事は勿論のこと、それぞれの言葉が生活の中から出た素直な素朴な正直な率直なものであったからだと思う。

 原子力に対する賛否はあるだろうが、10万年~100万年は有害な放射性物質を放出し続ける放射性廃棄物処理問題。それは、仮に原子力発電所を今すぐに全停止し廃炉へと動き出したとしても嘘偽り無く存在し続ける。当然、科学技術の運用に倫理観は排除出来ないはずだ。

 今日の豊かな文明は豊かな文化をもたらしているだろうか? 文化創造の一要因である芸術、映画…。断片的な情報ではなく、全ての人に過去があり全ての人が未来を見つめている、それを表現する「物語」というものの力は圧倒的に本物だと強く強く強く実感させてもらった。

 この映画は、深く甘く厳しく辛く悲しく切なく苦しく…とっても温かい作品だ。何処かの誰かでは無い。目の前に居るかの様に訴えかけて来る。一人でも多くの人に観て欲しい。

 挿入歌である加藤登紀子さんの歌声と、六ヶ所村出身の女性「子供の頃に原子力産業誘致に伴い土地を明け渡した人達の家は凄いなって思っていたけど、その後その人達の、本当は渡したくなかった、と言う言葉を聞いてショックを受けた。就職活動の時に、六ヶ所の人達は原子力誘致で裕福になったんでしょ・・・。そういう嫌味を言われた」。福島の女子高生「将来結婚して子供を産むっていう夢を持ってます。将来子供が産めなくなったら私の夢は潰されるじゃないですか。それも補償してくれるんですか」。福島の農業家「本当に安全がどうがハッギリ言ってほしい。だげぇんども、ぶん投げる事になっても作んねぇわげにはいがねぇ、ものつぐんねぐなったら農民でねぐなっから・・・」。青森の老漁師「人間は海と山があれば生ぎでいげる。」 これらの言葉が頭から離れない。

(「汚れっちまった 悲しみに」さんのtwitterより、本人のご了承を得て転載 )

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